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リソグラフィシミュレーション

リソグラフィ・シミュレータの概要

リソグラフィ・シミュレータとは、露光装置の振る舞いとレジスト(感光性を持つ有機材料)の振る舞いを計算するツールです。実際のプロセスにおけるパラメータを入力することにより、レジストに像が形成される過程をコンピュータ上に再現し、最適なプロセス条件を効率的に見つけることができます。
シミュレータには、実際のリソグラフィ・プロセスと同様さまざまな設定を行なうことができます。以下の図で、現像後のレジスト形状をシミュレーションするまでの流れを説明します。

1. 光学系

入力

【照明】
・照明形状
・コヒーレンス・ファクタ
【マスク(レティクル)】
・マスクパターン
・マスクの要素属性
【結像光学系】
・開口数・フォーカス
・収差・フレア
・その他

光学計算
出力情報

【空中像】
回折理論やMaxwellの方程式に基づいて計算された空中像。

2. レジスト

入力

・膜厚
・屈折率
・DillのABCパラメータ
・PEB温度
・酸の拡散長
・その他

潜像計算
出力情報

【露光後の潜像】
露光でレジスト膜内に生じる化学変化が、可視化されます。基板からの反射により定在波が発生すれば、それも考慮されます。

【PEB後の潜像】
PEBによる感光剤分布の変化が可視化されます。

3. 現像

入力

・現像時間
・現像速度パラメータ
・その他

現像計算
出力情報